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2008年9月14日 (日)

なんでも決め付けはよくない(のか?犬種標準)

人間は(_________)でなければいけない。
男は(________)でないといけない。
(_____)のは美人とは言えない。
学生なんだから(__________)であるべきだ。

さて、こんな穴埋め問題があったとしたら、カッコの中に何を入れますか。
この手の問題には正解がない。
正解があると言い張っても、その答えはただの決め付けである。決め付けは自分だけのものである。
それを他人の前で口に出したり、強要してはいけない。この手の話は予想以上の反発を食らう。

「女なんだから、もう少しおしゃれしたら」と言われたらどうする。いやーなき持ちになるでしょう。。
「へー、世田谷に住んでんだぁ。お嬢様なんだぁ。」って言われたら、んー、もうっ。お嬢様じゃないの。かぁちゃん、サミットでパートやってんの。今月牛肉くってないの!って心の中で地団駄踏むでしょ。
「お酒はぬるめの燗がいい」だの「肴はあぶったイカでいい」だの、「女は無口なひとがいい」とかほざいている彼には勝手にしろと言いたくなる。俺ぁキュッと冷たい韓国焼酎で焼肉かまして下ネタ好きの姉ちゃんとワイワイやりたいの、お盛んなの。と言い返したい。
神様に近い人か、よっぽど相手が逆らえないような権力を持っている場合じゃないと「Aはこうでなきゃいかん」などと決め付けてはいけない。阿久悠くらい偉くないと言っちゃいけない。
ナベツネだって「星野しか」とか「王ちゃんしか」とか決めつけて煙たがられている。
もちろん、これは主観的に物を決め付けんなよという話であって、誰が見たってそーだろと思うことはある。
「アルコールの入っている飲み物がお酒である」のは確かだし、「会社員だから会社に勤めている」のは当たり前である。
でも「アルコールが5%なくちゃお酒とはいえない」のはおかしいし、「仕事が下手くそだから会社員ではない」という決め付けはおかしいのだ。

さて、ドッグランに行こう。そして柴犬らしき犬を連れた人を見つける。
「まぁ、かわいいですねぇ。何ヶ月ですか?」などと親しげに声をかけながら近づく。
柴犬は興奮してあなたの手に飛びついてくる。後ろ足で立ち上がって、キャンキャン吼える。愛玩犬としてはこれ以上ないほどにかわいらしい丸目が爛々と輝いている。
おだやかな休日の午後、みどりの多い爽やかなドッグラン。飼い主の女性は、やさしく犬に語りかけるあなたと愛犬の姿を見て目尻が下がりっぱなしである。よかった。嫌がる旦那を宥め、脅し、すかしてようやく手に入れた愛犬である。血統書付きである。20万円である。ざまあみろ、旦那。だいたいあんたはそもそも・・・。
そんな彼女をよそにあなたは尋ねる。
「柴犬ですか?」
「ええ。」
しかし、あなたは怪訝そうにこう応える。
「いや、ちょっと違うでしょう。」
とたんに沈黙が走る。
飼い主は自分が一体何を言われたのかが理解できない。
「失格ですね。柴犬とは認めたくないですね。」
「はぁ?何言ってんですか。」
狼狽する女性をフォローすることなく、あなたは畳み込まなければいけない。
「まずですね。なんですか、この落ち着きのなさは。柴犬の本質たる『悍威に富み良性にして素朴の感あり、感覚鋭敏、動作敏捷にして歩様軽快弾力あり』をどう考えておるんですか。チャカチャカと落ち着きがないし、平気で人におもねる。柴犬の本質たる威厳も素朴さも全くない。」
「な、なんですか、いきなり。」
「それにこの目。この丸目。『稍三角形にして外皆上がり』というのが日本犬の目です。この軽薄なビー玉みたいな目はひどい。人に媚びる洋犬の目だ。あーやだやだ。どっかでチワワかなんかの血が入ってんじゃないの?」
「・・・け、血統書だってあ、あんだから。」
「あのね。血統書なんかね。血統を確認するだけのものなの。これオス?メス?あのね、だいたいパッと見て性別がわからんってところに軽薄さが出ている。何、オスなの?その割には頬の発達が足りないねぇ。顔も長くて、なんかあれじゃない。六代くらい前にキツネの血でも入ってんじゃない?」
唖然とする飼い主。
「日本の心と矜持を失った犬には興味はありません。では。」
季節は初秋。夕暮れのドッグランに静かに吹きはじめた少し早めの冷たい秋風を背にしてあなたは去っていく。
これ以上の飼い主に対する侮辱はない。
柴犬の性格はこうじゃなきゃいかんとか、目はこんな形じゃなきゃいかんとか、そんなことは飼い主にしてみれば、勝手に何言ってんのよという話である。
しかし、柴犬の世界にはこういう明確な決め付けがある。それをふりかざす権威がある。
犬種標準(スタンダード)だ。
スタンダードは日本犬保存会とJKCとで定められたものがあるが、日本犬保存会のスタンダードは昭和9年に制定されている。思い歴史があるのだ。
改訂はされているけど70数年も基本的思想を変えずにこの標準は生きている。しかし戦後まもないこの時期にたかが犬(あえて失礼な表現)にこれほどまでの情熱を注いだ人たちがいるというのは感動だ。

Omoitsuki

今、手元に一冊の本がある。
「日本犬百科」
昭和49年発行だから、34年前。日本犬保存会の創立に参加したという渡辺肇氏という人の本です。図書館で借りた。
(絶版にはなっていないようなのでサイドバーにリンク貼っておきました。でも、高いね。)
これが面白い。まだ読んでいる途中なのだけれど、これを読むともっとしっかり飼育せんといかんなという気持ちになる。先輩ありがとうと言いたくなる。これからの日本は私達にまかせてくださいと約束したくなる。
ということで、そろそろ柴犬の「犬種標準」について勉強をしようと思うのだ。

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