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2008年9月15日 (月)

「柴犬の犬種標準」ってのは存在しない

柴犬は素晴らしい。
彼らは家族を大切にし、他人にはそうたやすく気を許さない。
番犬であり友達であり、家族としてこれ以上心強い存在はない。
主人に対する忠誠心、凛とした風貌、その気質と容姿はまさに侍と呼ばれるに相応しい。
犬の中では柴犬が一番だ。

Nihon

柴犬、日本犬を褒め称える言葉は多い。
しかし、平成のこの浮ついた世の中で交わされるこれらの賞賛はあまりにも軽薄である。
以下のコメントを見てみましょう。
純粋犬の美は芸術品の美と相通ずる点が多い。すぐれた芸術品が生命のある感動を人々に与えるのと同様にすばらしい犬もまた、同じ感興を植え付けずにはおかない。ここに共通した、何か電光的な感興を起こさずにはいられないのである。」
日本犬の味わいといえば、さしあたり日本犬をとおしての感じ、趣き、気持ち、旨味、妙味といったものであることは事実である。」
素朴は日本犬の本質とされている。素朴にあるものは単純で、簡素でしかも健康である。単純こそ、健康の美をともなうのである。単純は、単調の意ではない。すべての無駄を省いたなくてはならないものの結晶である。」
日本犬の素朴さには、多くの言葉はいらない。日本犬には沈潜した静けさ、控えめな渋さ、そのなかに汲んでもつきない味わいと品位は素朴さのゆえにある。」
いずれも「日本犬百科(渡辺肇著)」からの抜粋である(この記事参照)。
見よ。この昭和の先人達の、含蓄に含み威厳に満ちた日本犬への賛辞を。

ショッピングセンターの中にある店名ローマ字書きのペットショップで「わー、かわいいheart01」などとキャーキャー騒ぎながら仔犬を買った自分が恥ずかしい。
ヒルズ・サイエンス・プロなどに頼っていた自分が情けない。
「はなちゃん」などと甘く名前を呼んでいた自分が許せない。
「はな」。なんですか。チャラチャラしたその赤いリードは。やめなさいやめなさい。これからはこの茶色い引き紐、引き紐にしなさい。

さて、犬種標準についてだけれども。
ちょっと脱線して、柴犬を始めとする日本犬が天然記念物に指定されているのは有名な話である。
昭和6年に秋田犬が天然記念物指定されたのを皮切りに、甲斐犬、紀州犬、越の犬が昭和9年に指定。
その後土佐犬(いわゆる土佐犬ではなく、四国犬)と北海道犬、最後に我ら柴犬が昭和12年に指定されている。
計7種類もの日本犬が天然記念物として御国に認められているわけだ。
しかし、一方で犬種標準(スタンダード)は日本犬の基準が一つあって、それに大型・中型・小型の注釈が付いているのみである。犬種ごとの記載はない。
だから柴犬の犬種標準というのは存在しないし、甲斐犬の犬種標準もない。「日本犬」標準の一本のみ。だから甲斐犬の色って黒っぽくってね、とかはどこにも書いていない。
へーんなの。
このあたりを「日本犬百科」では、秋田とか紀州とかの地方名にこだわることが地方的特色の保存には役立つものの、良い種犬を求めて全国横断的に交配がなされている事実からすると曖昧な意味しかないと言い切っている。
つまり今も昔も全国的に血が混ざっているわけで、それぞれの地域のオリジナル犬の再現なんて無理なことだし、血族的にはみんな同じなんだからあんまり○○犬とかに分けるのには意味がないよ、ということのようだ。
それらの地方系統のよさは尊重する位にとどめて、大型・中型・小型という型で分類をして「日本犬」の固定化を図るのが目的としている。

多分そうは言いながら、もう少し違う規定があるのでしょうね。
だって、血統書には「柴」って書いてるんだし。
秋田犬保存会とか、とういう団体もあるわけだから、不文律かもしれないけれど犬種ごとの決まりというのはどこかにあるような気がする。
この辺のあたり、何か情報あったら教えてください。

しかし、この厳格さには改めて頭が下がる思いである。
考えてみると犬ってのは本当に多様ですよね。
人間なんてちょっと語弊があるかもしれないけど、白と黒と黄色位のもんでしょ。それにしたって手の長さが倍以上違うわけでもなく、耳の方向が極端に違うわけでもない。
そうすると戦争が終わって70年以上、こうした厳格な取り組みがなければ、柴犬がこうしてその特徴を持ったまま残るというのは難しかったかもしれませんね。

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